10月17日に開催される第97回箱根駅伝予選会。10月5日にその予選会に参加する大学のエントリー選手が発表されました。ここでは、各大学のエントリー情報と共に、前回の予選会の結果などの参考資料、この1年のチームの強化面のニュース、現チームの強みをご紹介してまいります。

Part2では、神奈川大学、日本体育大学、日本大学、国士舘大学、筑波大学、の5チームをご紹介いたします。

 <紹介チーム一覧> 

 神奈川大学 エントリー選手  チーム解説・強み

日本体育大学 エントリー選手  チーム解説・強み

  日本大学 エントリー選手  チーム解説・強み

 国士舘大学 エントリー選手  チーム解説・強み

  筑波大学
エントリー選手  チーム解説・強み 

参考資料:全チームエントリー選手リスト
https://www.kgrr.org/event/2020/kgrr/97yosen/entry%20list.pdf 




【神奈川大学

 <エントリー選手>   戦力一覧記事はこちら
※各記録は、注釈がないものは2019年9月以降の記録です 

 井手孝一(4年)  20箱根:5区6位 19箱根予選:30位
 64分27秒/29分25秒83(19年4月)14分22秒46(17年9月)
 箱根駅伝では2年生時に3区で結果を出し、3年生時には鬼門の5区を攻略したりと神奈川大には無くてはならない存在となっています。もちろん予選会でも2回連続個人50位以内と頼れる存在です。持ちタイム以上の力を発揮してくれる勝負強さを軸に、今回の予選会でも大きな活躍が期待されます。

 川口慧(3年)  20箱根:7区8位
 64分06秒(21.3km)/28分48秒33/13分59秒82
 トラックでのスピードが非常に際立つ川口選手。これまでハーフの公式戦は1度だけですがそれは前々回の箱根駅伝予選会で64分台で走っています。箱根駅伝での活躍を見ても長い距離の適応力は全く問題ないので、そのスピードを活かしての上位進出が期待されます。

小笠原峰士(4年)  20箱根:4区15位 19箱根予選:57位
63分33秒(20.8km)/28分59秒71/14分58秒68
 2年生時に箱根の山に苦しんだ経験を乗り越えて昨季大きく成長しました。10000mでも頼もしい持ちタイムがあり、予選会の実績と合わせて頼りになる存在です。

西方大珠(3年)  20箱根:1区12位
62分48秒(21.3km)/30分19秒60(19年6月)14分24秒58(18年7月)
 大会1週間前の関東インカレにもエントリーしている(3000m障害)珍しい選手です。ハーフ63分台に箱根1区の好走と長距離の実績は申し分ないので、初の予選会での活躍が期待されます。

安田響(3年)  20箱根:8区12位 19箱根予選:111位
65分51秒/29分23秒63/14分33秒72
 前回の予選会では暑さの中でも100位前後の位置で粘るタフなレースを見せました。そこから前半のスピードを強化した今回は、更に幅広い戦い方を見せてくれそうです。

鈴木玲央(2年)  20箱根:補欠
63分54秒/31分44秒08/14分39秒61(19年6月)
 豊富なスタミナで箱根のメンバー入りを成し遂げた期待の若手です。ロード10kmでは30分10秒ほどのスピードを出せているので、神奈川大らしい後半勝負の走りを見せる事が出来るでしょう。

平塚翔太(4年)
 ― /30分55秒15/14分31秒05
呑村大樹(3年)  20箱根:補欠
65分44秒/29分02秒48/14分11秒70(19年7月)
横澤清己(3年)
65分23秒/29分47秒58/14分55秒05
古市祐太(2年)  20箱根:補欠
65分03秒/30分43秒35/14分46秒66(19年5月)
佐々木亮輔(1年)
 ― /29分18秒(10.0km)/14分23秒84
宇津野篤(1年)
 ― /  ―  /14分09秒08
國本大生(1年)
 ― /31分01秒04/14分38秒15(19年5月)
高橋銀河(1年)
 ― /31分14秒(10.0km・18年4月)/14分05秒73

 <主なエントリー外選手>

北﨑拓矢(4年)  20箱根:2区20位 19箱根予選:37位
64分41秒/28分57秒30/14分13秒38(18年6月)
原塚友貴(4年)  19箱根予選:250位
65分21秒(18年11月)30分24秒50(19年4月)14分35秒63(18年5月)

 <箱根駅伝予選会データ>

 前回の予選会成績…第96回・2位で予選突破

 参考:第96回予選会・神奈川大学(総合2位)の個人順位推移
チーム内
順位
 10km地点  15km地点  GOAL 
1位 
5位 
10位 
15位(±0分00秒)
46位(+0分32秒)
120位(+0分48秒)
24位(±0分00秒)
42位(+0分23秒)
99位(+0分55秒)
22位(±0分00秒)
57位(+0分51秒)
111位(+1分38秒)
※順位の横のタイムは、チーム内1位の選手とのタイム差

 <この1年のチームトピック>

01. 昨季の秋から冬にかけての競技会は、10000mで28分台をマークする選手が複数出るなどして、箱根駅伝で高速レースに対応した走りの下地になった選手がいました。一方で、比率としては好記録は上の世代に偏り気味で、新チームにおける中位層の突き上げはやや心許なさがあります。

02. 年明けのロードレースは日本学生ハーフに照準を合わせていた事もあって結果的に出場ゼロに。また、大会自粛期間明けの競技会でも、一部選手がホクレンや東海大競技会に出場したものの全体としてはかなり競技会への出場は少ないです。それでも川口選手が5000m13分台をマークするなどの収穫はありました。

03. そして迎える箱根駅伝予選会。エース格の北﨑選手がメンバー外となってしまいましたが、多くの主力選手がエントリーしたほか戦力が充実しているといわれるルーキー世代からも4選手がメンバー入り。ハーフの距離の予選会になって以降は神奈川大は安定して上位突破を果たしており、前々回の予選会ではハーフ初レースの選手が複数名安定した結果を出しています。そのノウハウを活かして、ハーフ未経験者が5名含まれる今回の予選会でも安定した結果に導きたいところです。

 <チームの強み>

01. 北﨑選手は外れてしまったものの、昨季の駅伝シーズンを支えた主力選手が多くエントリーしています。スピード・スタミナ・勝負強さといった強みある選手が多いので、主力が複数上位につけてしっかりリードを稼ぐ展開は今回も期待できます。

02. ハーフの距離になったここ2回の予選会はいずれも上位で突破しています。初めてのハーフの距離でのレースであったり暑さとオーバーペースの誘発などイレギュラーな要素も多い中で、安定した結果を残せる選手を輩出しているそのノウハウは非常に頼もしいです。今季も新戦力を予選会にフィットする選手に仕上げられれば、例年のような安定した神奈川大の強さを発揮してくるでしょう。

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【日本体育大学

 <エントリー選手>   戦力一覧記事はこちら
※各記録は、注釈がないものは2019年9月以降の記録です 

 池田耀平(4年)  20箱根:1区3位 19箱根予選:23位
 61分21秒(21.3km)/28分47秒05/13分57秒82
 激戦の箱根1区を上位でこなし、新チームのエースとして期待される池田選手。前回の予選会では中盤までチームの集団走をフォローしつつ10km以降で73人抜きをして上位に喰い込むという離れ業を見せています。スピード・スタミナも盤石でエースとしての活躍が期待される今回は、日本人先頭集団での戦いも予想されます。

 藤本珠輝(2年)  20箱根:5区16位 19箱根予選:14位
 62分46秒/30分14秒18(19年6月)/13分54秒21
 前回の箱根駅伝予選会ではルーキー離れした抜群の内容でチームトップの順位になるという衝撃的なデビューを飾りました。既にハーフ62分台とスタミナは充分な域にあり、10000mは様々な事情が重なってレースを走れていませんが、エントリー直前の5000mレースで13分台をマークしておりスピードに関しては順調なようです。

嶋野太海(4年)  20箱根:8区17位 19箱根予選:138位
64分03秒/29分24秒13/14分25秒70
 バランスの良いスピード・スタミナを兼ね備えています。ただ勝負強さに関しては主力選手とは差をつけられているので、この予選会では然りと結果を残したいところです。

野上翔大(4年)  20箱根:9区16位
63分41秒/29分08秒96/14分34秒90
 10000mではチーム上位のスピードがあり、今季は夏場の東京選手権を活用した強化も行いました。箱根駅伝でのリベンジに向け、まずは箱根駅伝予選会で上位を狙います。

大内宏樹(3年)  20箱根:補欠 19箱根予選:123位
64分29秒/29分15秒57/14分07秒15
 10000mのタイムはチーム上位で、スタミナも充分です。またフルマラソンも経験しており、戦い方の幅が期待されます。まずは安定した結果を出して本戦へのアピールを狙います。

盛本聖也(2年)  20箱根:補欠 19箱根予選:66位
64分21秒/29分54秒86/14分22秒92
 前回の箱根駅伝予選会では藤本選手のインパクトが目立ったその裏で1年生ながら66位と非常に良い内容を見せています。スピード・スタミナともに順調に伸びているので、予選会での実績をさらに積みたいところです。

岩室天輝(4年)  20箱根:補欠
64分07秒/29分25秒19/14分39秒73(19年4月)
菅沼隆佑(4年) 
64分44秒/30分22秒32/14分24秒27
福住賢翔(4年) 
66分08秒/29分28秒00/14分23秒86
森下滉太(4年) 
64分54秒/29分40秒19/14分32秒61
佐藤慎巴(3年)  19箱根予選:166位
66分41秒/30分23秒02/14分02秒15
岡嶋翼(3年)
64分47秒/29分33秒43/14分34秒51
名村樹哉(2年)  19箱根予選:133位
64分53秒/29分46秒28/14分30秒43
村越凌太(2年)
65分03秒/31分43秒16/14分24秒60

 <主なエントリー外選手>

亀田優太朗(4年)  20箱根:3区20位
63分33秒/29分01秒81/14分31秒08
太田哲朗(4年)  20箱根:4区18位 19箱根予選:98位
64分20秒(20.9km)/29分16秒12/14分32秒17
大内一輝(4年)  20箱根:7区17位
64分29秒/29分04秒21/14分37秒44(19年7月)
安達響生(2年)  20箱根:補欠
64分41秒/29分32秒22/14分33秒36

 <箱根駅伝予選会データ>

 前回の予選会成績…第96回・3位で予選突破

 参考:第96回予選会・日本体育大学(総合3位)の個人順位推移
チーム内
順位
 10km地点  15km地点  GOAL 
1位 
5位 
10位 
46位(±0分00秒)
96位(+0分14秒)
110位(+0分15秒)
15位(±0分00秒)
46位(+0分34秒)
141位(+1分18秒)
14位(±0分00秒)
48位(+1分03秒)
138位(+2分20秒)
※順位の横のタイムは、チーム内1位の選手とのタイム差

 <この1年のチームトピック>

01. 昨季の秋から冬にかけての競技会は日体大の層の厚さを見せるものでした。特に10000mでは主力からレギュラー定着を狙う中位層まで28分台~29分台前半をマークする選手が非常に多く、日体大の熾烈なレギュラー争いを象徴する内容でした。
そしてロードレースでは、箱根前の上尾ハーフが62~64分台をマークした選手が15名と最も収穫が多いレースに。そして箱根後は1~2月のレースが主な強化の場となり、こちらも中位層の選手を中心に64~65分台をマークする選手を多く出して底上げを図っています。

02. 大会自粛期間明けは7月に一部の選手が実戦強化を行いましたが、チーム全体としては9月から本格的に競技会に参加。特に9月の日本体育大学長距離競技会では多くの選手が参加して箱根駅伝予選会を想定したレースも行われていました。

03. そして発表された箱根駅伝予選会のメンバー発表。箱根駅伝出走者が3名メンバー外となっていますが、9月の10000mレースで安定した内容だった選手が多く選ばれています。一方でそのレースで内容が奮わなかった選手やその後の10月の学内競技会5000mで好走した選手もメンバー入りしているので、夏の時期の内容なども含めて総合的に判断していると思われます。豊富な戦力から様々な形での選考が行われ、今年も安定したメンバー編成が期待されます。

 <チームの強み>

01. チームの層の厚さ、レギュラー争いの熾烈さは箱根駅伝の上位チームにも負けないレベルです。5000m・10000m・ハーフで好走できる選手を毎年多く出している事がその背景にあり、日体大の強さを支える要素と言えます。

02. 久々の出場となった前回の箱根駅伝予選会でも、暑さをものともしない主力の好走と安定した集団走により危なげない予選突破を果たしています。ハーフの距離の予選会攻略のコツは掴んでいると思われるので、今季のメンバーにそれをしっかりと身につけさせることが出来ればイレギュラーが多い今回の予選会もしっかりと戦い抜けるのではないでしょうか。

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【日本大学

 <エントリー選手>   戦力一覧記事はこちら
※各記録は、注釈がないものは2019年9月以降の記録です 

 C・ドゥング(2年)  20箱根:2区12位 19箱根予選:4位
 62分33秒/28分17秒34(19年4月)/13分37秒62    
 実業団経由で入学した留学生エース。駅伝シーズンの活躍度合いはまだまだ物足りないところがあります。コンスタントに競技会に出ているというわけではありませんが、今年は様々な事情が重なりケニアでトレーニングを積む期間も長かったので、数字に出ない部分の成長に期待したいです。

 横山徹(4年)  20箱根:1区15位 19箱根予選:24位
 63分17秒(21.3km)/28分44秒31/14分21秒41
 箱根ではスターターを務める日本人エース。昨季、初めての箱根駅伝予選会をしっかり上位でまとめ、高速化した箱根1区にもなんとか喰らいつきました。まだ今季の状態は読み辛いですが、高い総合力を活かしてどのようなプランで予選会での上位を狙っていくかは気になるところです。

武田悠太郎(4年) 20箱根:4区17位 19箱根予選:41位
64分02秒/29分03秒91/14分40秒80
 高速レースに対応できなかった箱根駅伝へリベンジしたい今季、スピードやスタミナも高いレベルを維持しています。新体制での予選会では、目指すは前回越えの順位です。

小林陸大(4年)  19箱根予選:87位
65分29秒/29分53秒88/14分24秒18(19年5月)
 昨季は予選会で活躍しましたが、予選会での怪我で箱根本戦を逃しました。9月の競技会では状態が心配されましたが、メンバー入りしたところを見ると夏の内容はかなり充実していると思われます。

樋口翔太(2年)  20箱根:3区8位 19箱根予選:33位
62分43秒(21.4km)/28分43秒88/14分22秒29
 昨季はルーキーで抜群の結果を残し、早くも次期日本人エースの呼び声が高い樋口選手。予選会では日本人先頭集団も狙えそうなポテンシャルがあり、前半からどのような走りを見せるかは注目です。

松岡竜矢(2年)  20箱根:7区19位
64分26秒/29分11秒82/14分09秒43
 昨季は1年生で箱根デビューを果たしましたが高速化の洗礼に遭いました。それでも主力を狙える高い総合力を備えており、まずは予選会で結果を出して成功実績を積みたいところです。

遠田光太郎(4年)
65分15秒/29分45秒66/14分36秒43
桃川翔大(4年)
66分25秒/29分59秒84/14分29秒46
疋田和直(3年)  20箱根:補欠
65分04秒/29分39秒62/14分32秒77
小坂友我(3年)
67分24秒/28分55秒36/14分24秒53
若山岳(2年)  20箱根:8区19位
65分39秒/29分24秒90/14分17秒61(19年4月)
濱田祐知(2年) 
64分51秒/29分46秒94/14分42秒56(19年5月)
三木雄介(1年) 
 ― /29分12秒(10.0km)/14分26秒60
谷口賢(1年) 
 ― /  ―  /14分12秒27

 <主なエントリー外選手>

宮﨑佑喜(4年)  20箱根:6区4位
63分18秒/30分31秒01(17年4月)/14分13秒15
野田啓太(4年)  20箱根:補欠 19箱根予選:244位
63分55秒/29分07秒48/14分16秒44
橋口大希(3年)  20箱根:9区20位 19箱根予選:231位
65分43秒/29分35秒88/14分26秒14
山本起弘(3年)  20箱根:補欠
65分53秒/29分33秒77/14分29秒23(19年4月)
大倉真亜玖(3年)  19箱根予選:144位
65分15秒/30分31秒55/14分34秒28
岩城亮介(2年)  20箱根:補欠
 ― /29分12秒69/14分50秒98
八木志樹(2年)  20箱根:補欠 19箱根予選:274位
67分56秒/29分52秒68/14分08秒00(18年6月)

 <箱根駅伝予選会データ>

 前回の予選会成績…第96回・7位で予選突破

 参考:第96回予選会・日本大学(総合7位)の個人順位推移
チーム内
順位
 10km地点  15km地点  GOAL 
1位 
5位 
10位 
4位(±0分00秒)
83位(+1分40秒)
138位(+1分49秒)
4位(±0分00秒)
75位(+1分49秒)
209位(+2分59秒)
4位(±0分00秒)
48位(+2分56秒)
231位(+5分00秒)
※順位の横のタイムは、チーム内1位の選手とのタイム差

 <この1年のチームトピック>

01. 昨季の秋から冬にかけての競技会では、10000mで横山選手や樋口選手が28分台、武田選手が29分台一桁と中軸候補の選手が好走し、中位層の選手も29分台前半から半ばでまとめた選手も少なくありません。
そしてロードでは、箱根前の上尾ハーフ、箱根後の赤羽ハーフ、香川丸亀ハーフや、神奈川マラソンが主な強化の場となり、主力~中位層まで63~65分台をマークしてそれぞれスタミナの底上げが出来ています。

02. 大会自粛期間後は暫く競技会出場はなく、エースのドゥング選手はケニアからの来日の目途が立たない事もありケニアでのトレーニングとなっていました。その後、8月にドゥング選手が日本に戻り、9月にはチームは日本体育大学長距離競技会や早稲田大競技会に出場しています。ただ、10000mで28分台をマークした小坂選手以外はそこまで突出した記録という事はなく、予選会への準備を意識した競技会出場という色合いもありそうです。

03. そして発表された箱根駅伝予選会のエントリー選手。スタミナ方面で強みのある宮﨑選手や野田選手がメンバー外となったほか、前回の予選会を経験した選手が何人もメンバー外となっています。故障などのコンディション問題や夏の合宿内容が影響している部分もありますが、新しく監督に就任した青葉監督の選考方針にこれまで違う面が結構あるのかもしれません。どのようなプランで予選会に挑むのか、それは本番になってみないと全容が見えてこなさそうです。

 <チームの強み>

01. 昨季から今季にかけて2年生世代の成長度は非常に高く、実績面でもエースを狙える樋口選手や箱根駅伝を経験した松岡選手、若山選手などが台頭しています。また、ルーキーの中からはロード力の高い三木選手とスピードのある谷口選手がメンバー入り。若い選手の勢いをしっかりチームに活かしたいところです。

02. 実力や実績のある選手が何名も箱根駅伝予選会メンバーから外れましたが、そんな彼らを押しのけてメンバー入りを果たした選手には小林選手、遠田選手、桃川選手など大学ラストイヤーでチャンスに飢えた選手が名を連ねています。また今季スピード面でブレイクした小坂選手も注目の存在。そんな彼らのポテンシャルを引き出すプランがあるであろう青葉監督体制の予選会の戦い方には要注目です。


【国士舘大学

 <エントリー選手>   戦力一覧記事はこちら
※各記録は、注釈がないものは2019年9月以降の記録です 

 R・ヴィンセント(3年)  20箱根:2区4位 19箱根予選:2位
 59分51秒/27分39秒80/13分40秒33
 文句の付けどころのないエースです。持ちタイムで見れば確実に予選会のトップ候補となります。調整力や勝負強さのある他のライバルにどう対抗していくかにも注目です。ヴィンセント選手が先頭争いを繰り広げる事が予選会突破の土台となる事は確かでしょう。

 木榑杏祐(3年)  20箱根:補欠 19箱根予選:95位
 64分12秒/29分33秒89/14分18秒57
 前回の箱根駅伝予選会で見事な後半勝負の走りをいせてチームのと予選会突破に貢献しました。箱根駅伝は出走できませんでしたが、この1年でスピード・スタミナ共に順調な成長を見せています。前半でも勝負できる見込みが出てきた今回の予選会でどのような走りを展開するかは注目ポイントです。

曽根雅文(4年)  20箱根:6区9位
65分08秒/29分57秒00/14分09秒30
 短い距離のスピードに強みがあり、昨季はスタミナの安定感もつけています。10月の競技会では状態が心配されるもメンバー入りを果たしており、ここからの調整がポイントとなりそうです。

清水拓斗(3年)  20箱根:7区16位 19箱根予選:114位
65分12秒(21.3km)/29分22秒79/14分18秒18
 昨季は箱根駅伝予選会で結果を出して箱根駅伝の出走も掴みました。そこから10000mを中心にチームの日本人トップレベルのスピードに磨き上げており、今回の予選会でも活躍が期待されます。

三代和弥(3年)
64分33秒/29分35秒10/14分24秒52
 昨季は箱根メンバー入りを逃すも、そこから急激に成長。5000m・10000m・ハーフ全てでチーム上位を争う水準になっています。それを活かしてまずは大会での成功実績を作りたいところです。

清水悠雅(2年)  20箱根:8区13位 19箱根予選:74位
65分21秒/29分47秒24/14分52秒02
 昨季は箱根駅伝予選会でペース維持力を発揮してチーム2番手の結果を出しました。箱根本戦を経験するなど順調に場数を踏み、やや足りなかったスピード面も強化が進んでいます。

杉本日向(4年)  20箱根:補欠 19箱根予選:253位
66分29秒/29分38秒74/14分29秒20
加藤直人(4年)  20箱根:補欠 19箱根予選:248位
67分59秒/29分47秒29/14分36秒40
北川遼馬(4年)
65分49秒/30分21秒23/14分42秒18
長谷川潤(3年)  20箱根:3区19位
65分37秒(21.4km)/29分39秒71/14分46秒70
福井大夢(2年)  20箱根:補欠
65分49秒/29分44秒82/14分10秒23
綱島辰弥(2年)  19箱根予選:113位
65分55秒/29分37秒71/14分49秒89
中西真大(1年)  
 ― /29分38秒07/14分37秒23
山本龍神(1年)  
 ― /29分52秒(10.0km)/14分03秒05

 <主なエントリー外選手>

孝田拓海(4年)  20箱根:10区14位
64分20秒/30分00秒46/14分19秒69
金井啓太(4年)  20箱根:補欠
67分48秒/29分53秒05/14分44秒51
荻原陸斗(3年)  20箱根:1区20位 19箱根予選:131位
65分25秒(21.3km)/29分52秒10/14分45秒18
小早川寛人(3年)  19箱根予選:295位
65分18秒/29分53秒59/14分21秒23
遠入剛(1年)  
 ― /29分01秒(10.0km)/14分14秒44

 <箱根駅伝予選会データ>

 前回の予選会成績…第96回・8位で予選突破

 参考:第96回予選会・国士舘大学(総合8位)の個人順位推移
チーム内
順位
 10km地点  15km地点  GOAL 
1位 
5位 
10位 
2位(±0分00秒)
153位(+2分13秒)
184位(+2分15秒)
2位(±0分00秒)
111位(+3分00秒)
240位(+4分05秒)
2位(±0分00秒)
95位(+3分58秒)
248位(+6分22秒)
※順位の横のタイムは、チーム内1位の選手とのタイム差

 <この1年のチームトピック>

01. 昨季の秋から冬の競技会では予選会突破を決めた良い雰囲気も合わさり29分台後半から30分台前半をマークした選手が多く、これまでのスピードの水準と比較しても一段階前に進んだ印象があります。また5000mで高い結果を出す選手が出てきた事も好材料となりました。
ロードレースでは年明けの奥球摩ロードレースや神奈川マラソンが主な強化の場となり、64~65分台をマークしてスタミナの土台を築いた選手が多く出ています。また、エースのヴィンセント選手は海外の大会でハーフ59分51秒をマークしており、異次元のスタミナをさらに磨きあげています。

02. 大会自粛期間の混乱の中、その自粛期間前後にあたる4月や7月の上旬に招待制で国士舘大競技会が開催されておりそこを強化の場として活用しています。主に5000mのレースでしたが、しっかりと状態を確認できています。また、ホクレンでは持ちタイムの優れた一部の選手が出場しており、そちらでも収穫を得ています。
そして10月の国士舘大長距離競技会では10000mレースを敢行。予選会を想定したレースながらも、昨季と比べても全体的に一段タイム水準が上がっており成長を感じさせる内容でした。

03. そして発表された箱根駅伝予選会メンバーは、10月のレースの結果なども反映された内容となっています。新しい選手の台頭もあったため箱根駅伝のメンバーが複数外れていますが、前回の箱根駅伝予選会を経験した選手は多くメンバー入りしています。また、近年で最も充実しているといわれるルーキー世代からは、ロードに強い遠入選手が外れたものの10000mで好走した中西選手とスピードがチーム上位の山本選手がメンバー入りを果たしています。
前回は暑さの中で後半の走りを充実させて箱根路の切符を掴みましたが、スピードのある選手が増えた今季は戦い方の幅がさらに広がりそうです。

 <チームの強み>

01. 学生長距離界でトップ争いが出来る留学生エース・ヴィンセントの存在は大きいです。もちろん彼に依存しないチーム体制も重要ですが、様々な角度でロードレースの高速化が進む中で彼がその勢いに乗れれば、これまで以上の大きなリードを稼ぎ出してくれることが期待されます。

02. 前回の箱根駅伝予選会で若手の育成に成功し世代交代を乗り越えた事で、チームが本格的に上昇軌道に乗っています。スピード面・スタミナ面それぞれでアピールする新戦力が出てきたり、10000mの水準が数段上がったりと着実にチームの総合力が増しています。今季の国士舘大はピーキング調整に成功すれば箱根路の切符を手中に収める事が出来ると思えるレベルのチームとなっています。


【筑波大学

 <エントリー選手>   戦力一覧記事はこちら
※各記録は、注釈がないものは2019年9月以降の記録です 

 西研人(4年)  20箱根:1区11位 19箱根予選:19位
 61分56秒/29分20秒39/13分54秒76
 昨季はチームの躍進の中で大車輪の活躍を見せ、箱根1区の激走やハーフで61分台をマークするなど、エースへの階段を駆け上がっていきました。今季は5000mも13分台に突入し、10000mも28分台を狙える力を感じさせます。予選会では昨年と同等、あるいはそれ以上の位置でレースを展開させたいです。

 岩佐一楽(2年)  20箱根:6区20位 19箱根予選:121位
 66分01秒/29分28秒25/14分05秒12
 1年前の予選会での成功を機に、そこからノンストップで成長を続ける期待の若手です。箱根駅伝の経験がスピードを意識するきっかけとなったのか、それまで15分前後だった5000mの持ちタイムを一気に13分台が届くところまで更新させました。その流れで10000mも29分台前半へ突入。一気に伸びたスピードを軸に、予選会では2桁順位を狙いたいところです。

猿橋拓己(4年)  20箱根:3区16位 19箱根予選:20位
64分04秒/29分24秒80/14分18秒59
 昨季は卒業した金丸選手と現エース・西選手と共にチームの中軸となった猿橋選手。スタミナ面は西選手にリードを許していますが5000m・10000mでのスピードは成長を続けており、大学ラストイヤーもチームの中軸として期待されます。

相馬崇史(4年)  20箱根:5区19位 19箱根予選:40位
64分44秒/29分57秒21/14分19秒78
 1年生時から筑波大の成長を牽引してきた相馬選手。最近こそインパクトある活躍は同期のライバルに譲っていますが、パフォーマンスの安定感は健在です。チームで最も予選会のコツを掴んでいる男として、今回もしっかりリードを稼ぎたいところです。

大土手嵩(4年)  20箱根:4区19位
65分10秒/29分31秒58/14分15秒66
 チームの改革とともに主将の任に就き、そこから選手としても大きく成長した大土手選手。今は予選会も主力として戦えるだけの力を備えており、走りでもチームを牽引する姿が期待されます。

杉山魁声(3年)  20箱根:7区20位 19箱根予選:194位
64分21秒/29分26秒20/14分44秒46
 ここまでスピードを軸に戦ってきたものの予選会や箱根駅伝ではあと一歩結果が出なかった杉山選手。しかし、ハーフ64分台や10000mの自己ベスト更新など予選会での西欧を後押しする要素に溢れており、次期エースへのブレイクが期待されます。

児玉朋大(4年)  20箱根:10区16位 19箱根予選:246位
67分16秒/30分02秒21/14分49秒23
田川昇太(4年)  20箱根:補欠
66分19秒/30分04秒05/14分40秒26
伊藤太貴(3年)  20箱根:8区20位 19箱根予選:159位
65分38秒/29分56秒04/14分38秒49
福谷颯太(2年)  20箱根:補欠
 ― /30分00秒86/14分49秒74
五十嵐優汰(2年)
70分17秒/30分42秒55/14分51秒29(18年7月)
平山大雅(1年)  
 ― /30分18秒38/14分47秒61
皆川和範(1年) 
 ― /30分00秒48/14分57秒48(18年10月)
金田遼祐(1年) 
 ― /30分53秒91/14分59秒10

 <主なエントリー外選手>

山下和希(4年)  19箱根予選:135位
66分11秒/30分30秒65/14分53秒60(19年8月)
山本尊仁(3年)  20箱根:補欠 19箱根予選:184位
66分52秒/30分50秒54(19年6月)14分57秒66(19年7月)
河合俊太朗(3年)  20箱根:補欠
67分17秒/30分43秒12/14分49秒73
小林竜也(2年)  20箱根:補欠 19箱根予選:119位
65分59秒/29分56秒19/14分51秒02(18年9月)

 <箱根駅伝予選会データ>

 前回の予選会成績…第96回・6位で予選突破

 参考:第96回予選会・筑波大学(総合6位)の個人順位推移
チーム内
順位
 10km地点  15km地点  GOAL 
1位 
5位 
10位 
28位(±0分00秒)
83位(+0分15秒)
184位(+0分34秒)
18位(±0分00秒)
89位(+0分53秒)
199位(+1分47秒)
13位(±0分00秒)
53位(+1分08秒)
184位(+2分59秒)
※順位の横のタイムは、チーム内1位の選手とのタイム差

 <この1年のチームトピック>

01. 26年ぶりの箱根駅伝出場に沸いた昨季、秋から冬にかけての競技会も収穫の山でした。合宿の成果と箱根出場を決めた自信も後押ししてか、課題だったトラックでのスピードが全体的に向上し中軸選手は10000mが29分台半ばまでタイムを更新してスピードレースへの対応力が上がりました。また、主将・大土手選手が急成長して箱根出走を掴んだケースのように、この流れの中で成長のきっかけを掴んだ選手が多かったのも新チームへの好材料となりました。

02. 箱根駅伝では区間下位となった選手も多かったものの、「調整すればこれだけの走りが出来る」という次のステップへの成長に繋げた選手もいました。そして、それを年明けのレースで形にしていきます。中でも、61分台をマークして筑波大記録を更新した西選手やスタミナ面で新たなステップへ踏みこめた杉山選手、大土手選手にとっては収穫の大きいロードシーズンだったのではないでしょうか。

03. 4月以降は例年以上に制約の多いシーズンとなっていきましたが、それでも大会自粛期間明けの7月にはホクレン・ディスタンスや東海大競技会などでレース機会を得て、西選手が13分台、岩佐選手が14分台1桁となったほか、学内競技会で猿橋選手、相馬選手などが好走しました。
そして合宿明けの9月には予選会選考も兼ねた10000mレースが行われ、昨年の同時期と比べても非常にレベルの高い内容のレースが出来ました。その中で3名の1年生選手が30分台をマークし、彼らはそのまま予選会のメンバー入りを果たしています。
昨年の勢いを引き継いで成長を続けるチームは、今回のイレギュラーな予選会であっても箱根を決めた前回の予選会と同様に主力の奮闘と安定した集団走を実現してくれるのではないかという期待を持たせてくれます。

 <チームの強み>


01. エース不在という印象だったチームが、この1年で「勝てるチーム」の形に変わっていきました。抜群のスタミナでエースの座に就いた西選手を筆頭に、猿橋選手、相馬選手、岩佐選手、大土手選手、杉山選手などエースを越えようと意気込む主力選手がチームの基盤を固めています。この1年でチーム全体のスピードの水準も大きく上がり、前回以上に幅広い戦い方を予選会で見せる事も期待されます。

02. 制約の多い難しいシーズンの中でも、少ない競技会で確実に結果を出して成長を続けています。特に予選会を占う9月の10000mレースで昨季よりも遥かに上の内容を出せた事は予選突破への自信を深めてくれることでしょう。昨季、このレースで活躍した岩佐選手・小林選手・伊藤選手そこから大きく成長していったように、五十嵐選手や1年生の選手たちがここからブレイクしていくことも期待されます。

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 【第97回箱根駅伝予選会・エントリー選手&展望】

 Part1 中央学院、中央、拓殖、順天堂、法政
 Part2 神奈川、日本体育、日本、国士舘、筑波
 Part3 麗澤、駿河台、上武、専修、城西
 Part4 東京農業、山梨学院、大東文化、流通経済、亜細亜
 Part5 東京経済、武蔵野学院、立教、明治学院、日本薬科、
     関東学院、慶応義塾、桜美林、平成国際
 Part6 最近本格強化を始めた大学、注目の新勢力、非強化系の大学